群馬県は災害に強い!
群馬県安全神話などと言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
前回の「地震」に引き続き、今回は「台風」をテーマに調べてきました!
群馬県はあまりにも台風が来ないので、結界で守られているとSNSで話題です。
結界は言いすぎですが、調べてみると本当に群馬県は台風リスクが少なかったのです!
この記事では、群馬県と台風についてデータを示しながら解説します。
台風だけでなく、他の災害もまとめてシリーズ化しているので、良かったら一緒に読んでみてください!
- 「群馬県安全神話」の記事一覧(クリックすると展開されます)
- 【#1地震】群馬県は地震のリスクが本当に低いのか?
【#2台風】群馬県は台風のリスクが本当に低いのか?
youtubeでも群馬の魅力を発信しています。
群馬県に台風通過数が少ないのは本当なのか?
群馬県には、台風は実際にどのくらい来ているのでしょうか?
国立情報学研究所の北本研究室さんのまとめているデータを参考に、過去70年分(1953年~2023年)の台風通過状況をまとめると以下のようになりました。
上の図が群馬県付近、下の図が東京都付近の台風到達回数を表しています。


なお、県庁所在地から半径40km範囲に通過した台風を表示しています。
明らかに、群馬県付近を通る台風の回数が少ないことが分かります。東京都は30回に対して群馬県は半分以下の12回です。
同様に関東地域での台風通過回数も調べたので表にまとめました。
県名 | 台風通過回数 |
東京都 | 30回 |
神奈川県 | 28回 |
埼玉県 | 23回 |
千葉県 | 24回 |
茨城県 | 21回 |
群馬県 | 12回 |
栃木県 | 17回 |
東京だけでなく他の関東地域と比べても群馬県は回数が少ないですね。
どうやら、地震に続き、台風に関しても群馬安全神話は正しそうです。
では、どうして台風に見舞われれる頻度が低いのでしょうか?いくつか説がありますが、以降のトピックで2つの理由を解説していきます。
理由①山が多く台風が弾かれてしまう
以下は、国土地理院の「関東地方の地形」です。赤色になればなるほど標高が高いことを表しています
(出典: 国土地理院)
こちらの図から分かるように、群馬県は西と南をぐるっと標高の高い山に囲まれています。
台風が日本列島に上陸しても、この山脈に阻まれて群馬県まで到達が難しいのでしょう。
上の地形図では群馬県の位置が少し分かり辛いので、主だった山地を白地図に書き足してみました。

西側は越後山脈、南側は関東山地、そして長野県と山梨県の県境を埋めるように妙義山と榛名山があります。
高い山脈を越えるだけの勢力がないと群馬県には到達できないのです。
「群馬県は結果に守られているので台風が来ない。」と巷で噂されています。
もしかしたら、その結界とは群馬県境の山々のことかもしれませんね。
理由②海から遠いので台風の勢力が弱る
群馬県には海がないことを残念に思う県民が多いですが、防災の観点からはメリットだと言えます。
海がないことで津波被害がないというのが一番に思い浮かびますが、他にも台風の勢力を弱めることにもつながり、群馬県の防災に寄与しているのです。
どのような仕組みなのか詳しく解説します!
台風発生のメカニズム
初めに台風発生のメカニズムについて説明をします。
台風発生の元となるのは、熱帯の海上で発生する水蒸気です。
夏の強い日射しにより上昇気流が生まれ、大量の水蒸気が渦を巻きながら発達し台風が生まれます。
つまり、海での水蒸気が台風を大きくする要因なのです。

日本列島後の台風
日本列島に上陸した台風は、水蒸気の供給が少なくなるので徐々に勢力を弱めていきます。
よって、群馬県などの内陸には、弱まった台風が近づくことになります。さらに、先述の通り群馬県に到達するには高い山を越えなければなりません。
このことも台風が弱る要因となっているのです。
最後に
半分冗談で安全神話と呼ばれるような群馬県ですが、実際にデータを確認すると、本当にそうとも言えることが分かりました。
とはいえ、日本の地理的な特性から、もちろん群馬県にも強い台風が来ることもあります。
天気情報をよく確認して、しっかり危機感を持って対応してください。
前回は地震について、そして今回は台風について群馬県安全神話は真実なのかをまとめました。その他の災害についても今後書いていく予定なので、是非シリーズとしてお楽しみください。
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- 【#1地震】群馬県は地震のリスクが本当に低いのか?
【#2台風】群馬県は台風のリスクが本当に低いのか?