お散歩委員会ものがたり【第1歩】

ある朝、見慣れた街並みにて

その日、珍しくわかめは外出していた。

『メガネのやつ、急に呼び出すんだもんな・・・。』

そう、不貞腐れたようにつぶやく。

 

メガネはわかめにとって幼少の頃からの友人である。

普段は知り合いの誘いすら平然と断る、インドア強硬派であるわかめであったが、

久々の友人の誘いには、思うところがあったのだろう。

この日は珍しく、重い腰を上げ、重い扉を開いたのであった。

 

社会人として働き始め、随分と長い時間を過ごしてきたわかめ。

いつもの朝、いつもの街並み。

どこか陰鬱げに、メガネとの待ち合わせ場所へ向かうのであった。

 

待ち合わせ場所で

『ここであってるよね?』

わかめは何度もスマートフォンの地図アプリを確認する。

 

『まさか今時住所を直で連絡してくるとは・・・。』

元々どこか変わったところのあるメガネであったので、

わかめも、いざ来るまではあまり疑問に思っていなかったようだ。

 

『放課後のモラトリアムなんて、変わった居酒屋もあるもんだと思ってたけど・・・』

『どう見ても事務所か何かだよね・・・?』

地図アプリで調べてもそのような名前の店はヒットすることはなかった。

だが、示された住所の先には『放課後のモラトリアム』が構えていた。

 

『ええい、ままよ!』

少しきな臭さを感じるも、わかめは『放課後のモラトリアム』へ踏み入れた。

 

『やあ、思ったより早かったね』

扉を開け踏み入れた先で、メガネとは違う、でも聞き覚えのある声がそう語りかける。

 

『君は、Uさん!』

そこには神妙な面持ちで立つメガネと、かつての友人、Uが待ち受けていた。

 

お散歩委員会の幕開け

わかめは驚きを隠せずにいた。

久々のメガネとの対面に思うところもあっただろう。

だがそれに加え、メガネと同じく古くからの友人である、

Uの存在が、わかめの驚きを増長させていた。

 

『メガネ!これはいったい・・・?!』

『それにUさんまで!!』

狼狽するわかめを諭すように、Uは話始める。

 

『わかめくん、君にここまで来てもらったのはほかでもない』

『君にはお散歩委員会のメンバーとして共に活動してもらいたい』

 

『お、お散歩委員会?!』

 

『そう、お散歩委員会』

『・・・我々は群馬の頂点に立つ』

 

ある夜、見慣れた街並みにて

わかめは帰路についていた。

『放課後のモラトリアム』という事務所で再開したメガネとU。

そこで聞かされた『お散歩委員会』というグループのすべて。

そのどれもが、わかめを混乱させるには充分であった。

 

ふと、思考の嵐に耐え兼ね空を見上げる。

そこには雲一つない夜空が広がっていた。

 

『今日はこんなに晴れていたんだな』

 

余りある突然に未だ混乱を隠せないわかめ。

いつもの夜、いつもの街並み。

だが少しだけ、何かが変わっていく予感に心が躍る自分を感じていた。

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>群馬県桐生市出身のメンバーで構成

群馬県桐生市出身のメンバーで構成

エンジニア・料理人・営業・大工などなど様々な経歴を持つメンバー
ただ一つの共通点は桐生市出身ということのみ

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