今回は群馬県渋川市でバイオマス発電の実践と研究をされている、「フォレストエナジー」の大久保様にインタビューを行いました!
その模様を全4回でお届けします。
- インタビュー記事一覧(クリックすると展開されます)
- ①フォレストエナジーの発電事業。カーボンニュートラルを超えるカーボンマイナスとは?
②フォレストエナジー 渋川市の廃校を利用した研究施設。赤城山を臨む絶景の廃校が生まれ変わる!
③フォレストエナジーの発電機VOLTER。北欧の最新発電機の秘密に迫る!
④災害時に大活躍!地域に根差した小型発電機VOLTERの活用方法とは?
バイオマス発電は、地球温暖化の対策として注目を集めている最新の発電方法で、カーボンニュートラルな社会を目指して多くの企業が取り組んでいます。
フォレストエナジー株式会社もその1社ですが、他の企業と比較して、以下の点が特徴的です。
- 最新の発電でカーボンニュートラルを超えるカーボンマイナスを実現
- 群馬県渋川市と連携協定を締結し、廃校を活用して研究所を運営
つまり、最新の研究を行いながら、地域の課題解決も目指す企業なのです!
今回は、フォレストエナジー株式会社の『渋川バイオマス研究所』職員でいらっしゃる大久保様へインタビューを行いました。
大久保様のご経歴
慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。住友林業株式会社にご入社し12年間の勤務後、渋川市に移住しVolterのセールス・エンジニアとしてフォレストエナジーにご入社。
フォレストエナジーの事業内容

それでは、インタビューをよろしくお願いいたします!

はい!お願いします!


木質チップを用いたバイオマス発電を行っている企業です。
下の写真にあるように、細かくした木材を原料にして発電を行っています。

バイオマス発電について


再生可能な生物由来の資源をバイオマスと言います。
例えば、
・生ごみ
・下水
などが身近なバイオマス資源です。
もちろん、弊社で使用している木質チップもバイオマスに含まれます。

他の発電方法、例えば日本で主力の火力発電と比べて、どんな特徴があるのでしょうか?

バイオマスは生物由来の資源です。そのため、化石燃料を燃焼させる火力発電と比較して、環境への負荷が小さい傾向にあります。
例えば、弊社が使用する木質チップは木ですから、成長過程でCO₂を吸収します。
発電で使用しても、環境中に放出されるCO₂量はプラスマイナスゼロです。

バイオマス発電がカーボンニュートラルに繋がると分かりました!では次に、具体的な発電方法について教えてください。
フォレストエナジーさんでは、木質チップを使ってどのように発電しているのですか?

・木質チップのガス化
・ガスエンジンで発電これらの工程を、VOLTER(ボルター)という1台の発電機で行っています。

直接燃やしてエネルギーにしてはダメなのですか?

それは燃焼型という方式です。もちろんダメという訳ではなく、そうったやり方も世の中にはあります。
「燃焼で発生するCO₂量」と「木が育つ時に吸収したCO₂量」がつり合うので、カーボンニュートラルな社会の実現に役立ちます。
しかし、弊社が行うガス化型バイオマス発電は、カーボンニュートラルを超えるカーボンマイナスな発電方法なのです!
カーボンマイナスな発電の秘密

木が成長するときに吸ったCO₂は発電によって、環境中に放出されてしまうと思うのですが…

木質チップを燃やした場合は、多くの炭素成分がCO₂として放出されます。しかし、弊社のガス化方式では違います。木質チップがガス化される際に、「バイオ炭」が発生します。


これを炭素貯留と言います。これこそがカーボンマイナスの秘密です!
下の図をご覧いただくと分かりやすいと思います。


新しい炭素循環の形です。このサイクルを回すのに発電機VOLTERが活躍しています。

凄い!本当に最新の発電機ですね。
研究所にお伺いした際に、実物も見せて頂きました。
かなり小型であったと記憶しています!


また、VOLTERの高さは2.5mです。

設置場所の制約が少ないので、多くの場所での使用が期待されますね。そんなVOLTERを活用されて、発電と研究を渋川市の廃校で行っているのですね?
まとめと次回
カーボンニュートラルという言葉は、ニュースなのでよく耳にします。しかし、フォレストエナジーさんが取り組むカーボンマイナスは初めて聞きました!
「バイオ炭として炭素成分が残る = カーボンマイナス」ということなんですね。勉強になりました!
そんな最先端の取り組みを行う研究所を、渋川市の廃校で運営しているそうです。
「どうして渋川市だったのか?」「実際の研究所の様子」あたりについて、次回は深堀していきます!お楽しみに!